2014年11月28日金曜日

やっぱり、運慶、快慶って凄いなぁー。高野山開創1200年記念ーーー高野山の名宝展

 

高野山は、弘法大師空海により弘仁7年(816)に真言密教の根本道場の地として開かれました。日本仏教の聖地の一つとして、時代と宗派を超えた信仰を集めてきました。
本展は、高野山開創1200年の記念として、山の正倉院とも例えられるその至宝の数々を公開するものです。
特に仏師運慶作の国宝《八大童子像》が全躯そろって展示されるのは、関東では10年ぶりとなる貴重な機会。
空海の精神と壮大な歴史に育まれた日本文化の精髄を是非御堪能ください。
サントリー美術館ニュースより

会員登録更新したから、すぐに行こうと思ってるうちに、前期の国宝《澤千鳥螺鈿蒔絵小唐櫃》を見逃してしまったら、もう、どうでもいいかな、なーんて思っちゃっていたんですが、そうではありませんでした。
今回私にとって、良かったのは、密教の曼荼羅とか、理解が難しいものではなく、シンプルに彫像が多かったってことかもしれないし、それが、運慶・快慶という稀代の仏師の作品がどーんどーんとあったからなのかもしれないけれど。

全体の印象はさておき、最初に出てくる横向き(東向)の空海の像がこれまたグッとくるんだわ。優美で柔和な空海のまなざしに触れると自然に敬虔な気持ちになれる感じ。
 
解説もシンプルで金剛杵(こんごうしょ)や金剛鈴(こんごうりん)の解説を読んで振り返るとそこにそれぞれ独鈷杵(とっこしょ) や、三鈷杵、五鈷杵が展示され、しっかり頭のなかに違いがはっきり覚えられる感じ?それと解説の字かおおきいからかな?(笑)

いずれにせよ、そこで、もう一度最初の空海の像《弘法大師像》は、五鈷杵を右手に、左手に赤い数珠を巻いておられる、と言うことを確認出来ました。

さて、頭でっかちな《大日如来坐像》も印象的ではありますが、一目で運慶か快慶のような凄腕の仏師の作品だな!と目に入ったのは、やはり、快慶作と近年確認されたという《執金剛神立像(しゅこんごうしんりゅうぞう)》。


通常端整な作風からすると異形であると解説にはあったけど、素晴らしくダイナミックな姿は惚れ惚れするほどの動きや力強さを感じるわけで、それが快慶でなくっても並外れた実力の仏師であることには変わりないですね。
更に快慶作の《四天王立像》が続いて並んでいるのは圧巻です。解説では特に、広目天が出色の出来だそうですが、素人目には、どれも体躯のバランスが素晴らしく、美しく、力強い。そして、実に保存状態が良い!
感動を覚えます。
階下に降りていくと、豊臣秀吉が奉納したというでっかくて忿怒の相が迫力満点な《無畏十力吼菩薩像》を背景に、端正なお顔立ちとカラフルな孔雀羽の光背を擁し、大きな孔雀に座す《孔雀明王坐像》も待ち構えています。もうどんどんドーンとキタ――(゚∀゚)――!!って感じ。

そしてそのまま、運慶作の《八大童子像》が八躯待ち構えているんですね。
ハ躯の中では、ポスターにも使われている《制多伽童子像》がその赤い皮膚の色と特徴的な髪型で目を引くけれど、《烏俱婆誐童子像》の燃え上がる炎の髪型も捨て難い魅力。運慶作かどうかは確定してない《阿辱達童子像》の乗り物になっている麒麟のような動物も気に入りました。

サントリー美術館は12月7日までですが、あべのハルカスで来年一月からも見られます。

高野山開創1200年記念
高野山の名宝
2014年10月11日~12月7日
サントリー美術館

2015年1月23日~3月8日
あべのハルカス美術館
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