2015年8月16日日曜日

ついに東の大関に出会った~♪ 藤田美術館の至宝 国宝曜変天目茶碗と日本の美@サントリー美術館

明治の実業家・藤田傳三郎氏(ふじたでんざぶろう・1841~1912)は、明治維新後、廃仏毀釈によって仏教美術品が失われる危機を憂慮し、仏像や仏画などの文化財保護に尽力しました。また、茶の湯を趣味とする数寄者(すきしゃ)であった氏は、茶道具に対しても卓抜な鑑識眼をもち、「交趾大亀香合(こうちおおがめこうごう)」をはじめ、稀代の逸品を収集しました。
藤田美術館は、傳三郎氏と、長男平太郎・次男徳次郎両氏の2代3人による収蔵品を公開するために、昭和29年(1954)大阪市に開館しました。仏教美術と茶道具に限らず、絵画、墨蹟、漆工、金工、染織など多岐にわたる収蔵品は、文化国家として美術品を広く公開することを目指し、系統立てて収集を行なった傳三郎氏の高い志がうかがえます。量のみならず質的にも充実した2,111件の収蔵品は、天下の名碗「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」など9件が国宝に、52件が重要文化財に指定されています。
藤田美術館では、春と秋の年2回企画展が開催され、鑑賞者の眼を喜ばせていますが、永らく館外での公開が待ち望まれてきました。今回の展覧会は、国内有数の東洋・日本美術コレクションを誇る藤田美術館の至宝を初めて東京で一堂に公開する待望の企画展です。
(美術館HPから)

以前、出光で知った安政二年「形物香合相撲」という番付。
http://pikarosewine.blogspot.jp/2013/06/blog-post_26.htm

あの時は染付の特集で北宋の周頓頤(しゅうとんい)、通称は周茂叔(キッパリ引退して毎日釣り糸を垂れる生活をして過ごしていた)という文人をモチーフにした《古染付周茂叔文香合》が番付に載っていたわけですが、勿論前頭何枚目というような順位でしたね。

今回、展示の最後にこのコレクションを創った藤田傳三郎が長らく欲し、亡くなる10日前に入手できたという報告を聞きながら手にすることはなかったという《交趾大亀香合》が登場したのですが、これがなんと東の大関♪


これ以外に東前頭10枚目《交趾大獅子香合》も展示されていました。嬉しい。

あ、勿論、この藤田美術館の目玉はタイトルにあるような曜変天目茶碗。

青くきらめく星空のような美しい景色は、静嘉堂の持つ曜変天目よりは控えめな曜変だけど、美しい。ただ、ちょっと残念なのは一部口縁から下が剥がれている事。なるほど、ちらしやポスターの写真は全面ではなく一部の撮影になっているのはそのせいなのかしら。

そして感激するのが快慶作の《地蔵菩薩立像》。素晴らしい法衣の襞のイキイキとした流れ、美しい姿態。

名品としては茶の湯の道具が多いけど、古今和歌集の断簡とか、《紫紙金字華厳経》、《今日法蓮華経》、伝俊成、伝貫之等の文字の美しさを見るだけでも楽しくなる色紙や料紙の美しい《深窓秘抄》等、見ているだけで幸せ。

会期末までにもう一度行こう♪


藤田美術館の至宝
国宝 曜変天目茶碗と日本の美
2015年8月5日(水)~9月27日(日)

サントリー美術館

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