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2012年1月12日木曜日

【過去日記 2012/1/12】フェルメール展@BUNKAMURAの愉しみ方・・・・・私の場合

ギリシャで「また」ピカソの絵を含む絵画が盗難に遭いましたね。http://www.asahi.com/international/update/0110/TKY201201100061.html
一部では国の財政危機が影響しているんではないかなどとのツイートを見かけるけれど、本当にそうかしら?警備員の数を減らしているなら多少影響あるかもしれないけれど、昔から絵画の盗難って結構多いわけで、昨年だって、パリの市立美術館で盗まれていますね。

http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011100201000035.html

犯人は捕まっても、絵画が出てこないというケースは、これまた多くて、中には「隠し場所を忘れた」犯人が亡くなってしまって永遠に出てこないなーんて事も。



翻って、フェルメールのたった35前後(真贋が論争されていたりするんで、展覧会毎に監修者が違い、36枚とカウントしていても、中身が異なり、2-3枚が出入りしていますよね。)の中にも20年くらい前にボストンで盗難に遭って以来「合奏」という一枚が未だに見つかっていません。ピカソの作品の数といえば約15万点といわれていますから、盗難に遭遇してしまう可能性も高いわけですけど、フェルメールはその4千数百分の一の35点前後しかないのに、第二次世界大戦中ナチス軍に接収・・盗難というより強奪されたことがある絵が2枚(画家志望だったヒトラーに捧げる目的だった等とまことしやかに言われていますね。)、そして真の盗難に遭った絵は3枚、しかもそのうち1枚は二回も!という受難ぶり。数が少ない事による貴重性の評価が高いから・・という事が主たる原因と言われているけれど、そんな来歴のある絵を未だに鑑賞することができる、というのは本当に「運の良いこと」じゃないか、とさえ考えてしまいます。



現在、渋谷のBUNKAMURAで開催されているフェルメール展。その目玉は修復後最初のお目見えとなる「青い衣の女」で、修復直前で状態の悪い時にアムステルダムで見ていた私としては、その違いがかなり鮮明で楽しいけれど、初めて見る人にとっては、フェルメールの作品という以外「別に」それほど言われる程の感動はないのではないかと思います。勿論、会場で上映されているハイビジョン画像の解説を見て「ふーん、そういうことだったのかぁ」・・という気持ちになって、もう一度戻ってみようかな、という気になるかもしれないし、手紙というテーマと17世紀という時代に思いを馳せるという意味でも小規模ながら、なかなか良いテーマの展覧会だとは思います。



でも、もう一つ「盗難」というポイントに目を向けると、添えられた解説がなされていることの大切さが分かるので、これから行こうかしら、という人も、もう見ちゃったわという人にも御紹介。



「青い衣の女」の左側に今回二度目の来日となる「手紙を書く女と召使い」の絵がかかっていますよね。実はこの絵が二度の盗難という過酷な運命に遭遇しながらも、今ここに輝きを放ちながら私達に感動を与えてくれる貴重な絵なのです。



一度目は1974年の4月。丁度その一ヶ月前に英国で「ギターを弾く女」が北アイルランド解放軍(IRA)によって盗まれ、この絵を燃やさない条件として逮捕されている活動家の引渡を要求され、その解決に向け英国政府が奪回作戦を練っている最中に、この「手紙を書く女と召使い」の絵が盗まれるという事件が起きました。同じようにIRAを支持するグループの犯行で、「ギターを弾く女」と前後して、テロに屈しなかった英国政府や関係者が取り戻しに成功した、という話も毅然とした態度で感動的ではあるのですが、その時、今はきらきらと白い光が艶めいている主人である女性の右袖上部からタペストリーに到る長さ28センチの深い傷ができてしまったそうです



その他の浅い傷等もあった為、「青い衣の女」同様、古いニスを剥がして傷を修復したそうなんですが、その時初めて今回の展覧会の重要テーマである手紙の赤い封蝋が出現した訳なんですね。この悲惨な事件がなければ今回の展覧会の企画は実現しなかった・・とまでは言わないまでも、感慨深い。そして床に落ちている手紙が女主人の書き損じなのか、今回の解説のように、女主人が憤りを沈めなくてはならないほどの内容の手紙を受け取って、投げ捨てたと解釈するかの論争が研究者達の間で始まった・・・。2008年に東京都美術館での展覧会では、書き損じの手紙を投げ捨てたとの解説だったように記憶するだけに、オーディオガイド聴いた時にあれっ?って思ったりもし・・・



その論争の結論はともかく、折角修復されて戻ってきたというのに、二回目はそれから干支が一回りした1986年にまたしても盗難の憂き目に。今度の犯人はさしずめ実在のルパン三世といったところの大泥棒マーティン・カーヒルとその一味なのでIRAのテロとは無関係。でも何故かIRAとは切り離すことはできず、カーヒルがこの絵を売り捌く為にカトリック系のIRAとは異なるプロテスタント系に接触したが為に、IRAの恨みを買って、その後暗殺されてしまうその一代記はTheGeneralという映画にもなってカンヌ映画祭で監督賞まで取ってしまうというおまけつき。



こういった周辺物語が色々あって、そんなことを思い巡らせ鑑賞すると飽きないんですよね。



おっと、もうひとつ、74年の盗難時は1ヶ月ちょっとで戻ったけれど、二回目は93年まで見つからなかったのですが、戻ってきて再度修復が行われた時に女主人の左目に針で突いたような穴がある事が確認されました。この確認がきっかけで、フェルメールの「カメラオブスキュラを使った透視画法」が立証されたと言われているのもフェルメールファンとしてはいとをかし・・なのであります。



どうです?たった1枚の絵にもこんな物語があると思うとワクワクしちゃいませんか?ただでさえ、その光と構図が人の心を捉え易いフェルメール、いや少なくとも私は魅了されて、展示されているところには何度でも足を運ぶ、フェルメールバカなもんで、力はいって長文になっちゃいました。あは。、



【注:これらの情報は主として研究者の朽木ゆり子さんの「盗まれたフェルメール」にお頼りしています。】


DelftのVermeer Centerに展示されていたVermeerの使ったであろうウルトラマリンなどの顔料
photo by Pikachan all rights reseved

2008年9月30日火曜日

【過去日記 2008/09】 2008年9月の頃は。。。。

まだまだ暑い時期でしたが。。。

■丸の内あたりでやっていた牛さんの大行進を捕獲♪
















■そして、この頃はフェルメールも一挙に捕獲。。。じゃなかった、鑑賞できました。
7枚つづりのチケット買ったりして、7回行けないので、お友達と一緒にでかけて券だけ回収したり(セコッツ・・・汗)そのチケットは今いずこ。。。(滝汗)


■招待券を戴いていたGOLD展最終日に駆け込み~・・・ 
  
 世界の生産量が10トンくらいだった江戸時代にわが国は 
 200トンも小判に金を使っていたとか、奈良の大仏さんは最初 
 金箔150キロ分も使われて建立されたとか まぁいろいろ 
 お勉強してきましたぁ。美術仲間さんの言われる通り 
 期待しないで見に行くと面白い展示でした。。 

 一番の耳より情報は「火山国の日本はまだ地下で金が作られてる 
 らしいこと」「多摩川でも砂金が取れるらしいこと」 
  
 がま口財布オカネモチドル袋になりたい人、無類の金(キン)好きの人 
 今度一緒に砂金採りにいきませんかexclamation & question、多摩川に指でOK(爆) 

■西洋美術館オープンミュージアム  Fun Day 2008

 確か2007年5月に初めて開催されて、今年(2008年)が二回目のオープン 
 ミュージアム。その名の通り 入場料はタダで常設展が見られたり 
 前庭のコンサートを聞けたり、パズルを完成させるとスケッチブック 
 がもらえたり、楽しいイベントでした。 
 一日目に参加できなかった「建築ツアー」に参加するために 
 連日出かけちゃいました。あせあせ 

 日本にあるル・コルビジェの設計した唯一の建築物である西洋 
 美術館は来年竣工50年。 
 今は不自由な建築基準法やPL法のせいやら、 
 日本のお堅い美術館の運営方法などやらでオリジナルの建築の 
 よさがちっとも生かされていないこの建物のために地元は一生懸命 
 世界遺産登録を働きかけてるけど、、どうなんだろう。。 
  

 オリジナルでは自然光を各所から取り入れて下からライトアップ 
 する予定だったらしいのに。。 
 今は無粋な蛍光灯に換えられたり、消防法の基準に合わないから 
 って階段の先は封鎖されちゃってるし。。。ダッシュ(走り出す様) 

 それはともかく、建築ツアーは、そんなもしかしたら世界遺産に 
 なるかもしれない建築の特徴を解説してくれる楽しい時間でした。 
 雨の合間を縫って、普段上がれない屋上に上ってみたり、 
 何度も行ってる癖に竣工当時から2階部分に赤いシャッターが 
 あったなんて初めて気づかされたし。。 

 設計された当初は一階から入って、2階の正面の階段から帰る 
 ように作られていた、とか、モジュールパネル式にはめられた 
 石壁の模様へのオマージュとして美術館の対面にある文化会館 
 のガラス窓のデザインが作られたのは、文化会館を設計した 
 前川國男さんがコルビジェの日本での数少ない弟子だったから。 
 だとか、まあ、こちらでもミニミニ情報満載で。。 

面白かったですよん。。お土産ももらったしね。。
 入館証としてわたされたマグネットクリップはワインのグラス 
 リングとして即活躍できましたし。。 

2007年10月7日日曜日

【過去日記 2007/10/7】 ステキな彗星を見たぞ!・・・・・・・・・・・・国立新美術館開館記念 アムステルダム国立美術館所蔵フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展

朽木ゆり子さんのような研究者はもちろん、
研究者ではない有吉玉青さんのように全部見た!。。
というレベルには到達できないけれど
筋金入り(?)のファンのヒトリでありますよ、
ワタクシ。。フェルメールに関しては!(自称。。。)

ルーブルに行ったら、モナリザはすっとばしても
「レースを編む少女」の小品の部屋にまず直行するし、
メトロポリタンでも数あるレンブラントより4点並んだ
部屋に足を運ぶ。。
フリックコレクションに何度も行った理由も、ただひとつ。。

おかげさまで、盗難される前の「合奏」にもボストンで
出会えているし。。


でもねぇ、出張に絡めて行こうと企んでいた
95~96年の大回顧展@DCは飛行機が遅れて行けなくなっちゃったし、
そもそも総本山のチューリップアムステルダム国立と
マウリッツハイス国立には未だ行けてないのでした。。


同じ作品を何十回も見てはいるけれど、
寡作のこの画家の全36作品(と言われたり、数は確定してませんが)のうち、
ご対面できたのは19作品、 
数的には約半分超ってとこだから、筋金入りって
わけにはいかないか、、、ホネも折れてるしね。。



だから、券を頂戴した時から、腕まくりしてた訳なんですけどね。
こんな足(注:当時右足骨折中)だから、また大回顧展の二の舞かなー、
と半ば諦めかかっていた丁度その時。。。



早速お出かけされたマイミクYさんの日記に感想文が。。。

ウラヤマシー!!!。。。。もう、ガマンできなーい。。
と、コメントに「行きたい爆弾衝撃」を仕込んだものだから、
車椅子車椅子を押して一緒に見てくださるというありがたーい、
お申し出を頂戴することができました。。。

「『だって、申し訳そうにはしていても、絶対行きたい!』って
行間に書いてあった」と言われながらも車椅子暴走族を買って
でてくださったマイミクCさん、
2度目の鑑賞にも関わらずお付き合いいただきましたYさん、
本当に感謝しております。。。。。。
(確かに。。。主張しまくりでした。。へへへ・・)

時々車椅子押して回っている立場から車椅子押して戴く立場になると
色々な事が見えてきますねー。。バリアフリーと言ったって・・・
という運営側の問題や、、実際に見て廻る時の目線右斜め上
の問題等等。。。。



。。。で、肝心の「牛乳を注ぐ女」ですが。。。
この作品だけが展示された部屋の係りの方の心配り(?)によって、
行列に並ぶことなく特別に右側の位置から拝見させて頂く
事ができました。

ちょっと、遠いのは、行列しても同じです。。
なんてったって作品自体も45.4×40.5センチだし、
絵までの距離を充分にとって柵があったわけで。。

図版やウェブでしか見たことのなかったホンモノの
色は思ったより薄く、右から見たせいなのか女性の
スカートの赤い色が印象的。。

残念ながら有名なパンの表面のざらつきは
小さすぎてよく見えなかった。。でもミルクの
とろっとした感じ、何よりフェルメールらしい
光の質感はどんな説明があろうとなかろうと
ワタクシを幸福にさせてくれるのだ。。

この絵を始めフェルメールを読み解く為の解説本は
ご他聞に漏れず数多く出ていて、
ワレワレにいろんな「知識」を積み上げさせ
てくれるけど、シアワセになれるのなら、
そんなの関係○ぇ 。。とまでは
いかないけど、どうでもイイコトだもんね。。



エライ混雑だったので、他の作品はテキトーに
鑑賞したんだけど、気に入ったのは、17世紀当時
観測された彗星をデザインモチーフにした
ガラスのコップ。。未熟な手なんだけど、なんだか
ココロ惹かれたな。。


ひょっとして、ワタシが見過ごしたあの大回顧展
が当時、「ハレー彗星のように一生に一度見られれば
幸運」と言われていたココロ残りのせいなのかー?!



見終わった後の楽しいお茶コーヒーでの会話を含め
シアワセな2時間半腕時計でございました。。