2006年11月15日水曜日

【過去日記 2006/11/15】 49施設中24施設 28回訪問うち26枚利用-総括 ぐるっとパスの2ヶ月間

有効期間2ヶ月の最終日を飾ったのは。。。。 
(ドラムロール♪)タターン! 

森アーツミュージーアムin Roppongi Hills クリーブランド美術館―女性美の肖像の筈でしたー。。 

が。。。 

実はぐるっとパスの対象は森美術館と展望フロアだけでしたー。(がくっー。。) 

でも、ぐるっとパスとセットで正規料金2800円が1700円になりましたー。。 
結果オーライ!! 

(^-^)//""パチパチ 

って、単に今日、金曜でもない夜に(←ココ大事デスネ)、空いている施設という観点だけで選ばれたのですが。。。 

継子扱いのクリーブランド美術館展だけど、 
宣伝に使われているルノアールの少女の絵「ロメーヌ・ラコー」を始め、


殆どがガラスを入れていないのでその油絵の筆使いの質感を味わえる上、マネ・モネ、ゴーギャン、ゴッホ、モディリアーニ、ピカソ、ロダン、マティス。。。 
と日本人好み♪の佳作が間近で楽しめる。(ついでに一枚だけ展示されていた私の大大だーい好きなマティスのニース時代の絵もアーップ!) 


ピカソがパリに初めて出てきた19歳頃の作品は彼「らしからぬ」作品で、食いつなぐ為の「売り絵」だったのかなー、等と思いを廻らしたり、セザンヌ・ピカソを始め多くの画家がマネの作品のオマージュとして描いている「草上の昼食」のエルンスト版にお初にお目にかかることができたり、と個人的には満足感の高い内容。普通外国の「どこそか美術館展」といっても、持ってくるだけで金がかかるので宣伝費にお金をかけてる割に内容が貧弱というものが多い。 
その中ではこじんまりだけど良い展覧会。 

。。で、本題の総括!!ぐるっとパス 
出張その他で中抜きの1ヶ月間を考えると正味一ヶ月、ぐるっとパスのおかげで、歩いた、歩いた。 
万歩計をつけていたなら、どれだけの歩数を刻んだかと思われる程の見事な歩きっぷり!しかも脂肪燃焼には全く貢献しないムダ~な歩き!を重ねた事をまずは、讃えましょうかね、偏平足なので、「歩くの大嫌い!」なワタクシ的には。。 

勤め人が利用できるのは週末と国民の休日!のみ、という中、上野・皇居周辺・家の周囲に固まっていたのが幸いしてかなり健闘したけど、西東京方面は全滅だったなー。残念・・・近くても東京都写真美術館は今回ミスしちゃった。。残念。。 

★入場料の収支は。。。。 
26館合計で丁度26千円程度かかるべきところ、ぐるっとパス2千円を含め11千円、即ち9千円分の割引があったことになる。お得には違いない。。 
でも、交通費も含めたら、意外(!)にお金使ってたんだな。。それに図録とかも買ってるしね。芸術の秋はお金もかかる。。 

★では内容の収支は。。。 
①ぐるっとパスだけで、追加料金を一切払わずに楽しむことが できる施設:12箇所訪問 
 ○このカテゴリー中、最も楽しめたのは上野動物園。 
  動物と子供には勝てないよ。。 
 ○このカテゴリーでありながら企画展を楽しむことができたのは、今年ぐるっとパス初参加の山種美術館の「竹内栖鳳とその弟子たち」とブリジストン美術館の「なつの常設展」。前者は画廊程度の狭い会場だけど、良品がぎっしり、後者も20世紀洋画が好きなら、良品に出会える。。 
   それに、じっくり絵を眺めることのできるほどの程よい混み具合だし。。 
 ○期待していなかったけど楽しめたのは奏楽堂での日曜コン  サート。 
 ○庭園美術館は、企画の良し悪しを問わず、大きさこそ慎ま しやかな部類でありながら、ご滞在時の最先端であるアー ルデコ様式をふんだんに取り入れられた朝香宮夫妻の進取の御気性と美しい庭をいつでも感じられるから日曜の午後から夕方に行くには素晴らしいところ。それが、ぐるっとパスで入れてしまう「お得感」がたまらない。。(だって入館料2人分でパス一人分が買えちゃうんだもん。。) 

②ぐるっとパス提示で割引がされる特別企画展を有していた施設:14箇所(15回)訪問(除く森アーツセンター) 
 ○このカテゴリーの場合、割引の度合いが若干違うだけで、後は自分の趣味にどれだけマッチしたか、だけが勝負の分かれ目。。。。なので、行きたきゃ前売り券でも、当日券でも好きに買って行きなさいって事かな。。ぐるっとパスがあると思うから、それほど。。。と思っていない企画展にでも足を運んでしまうことになるから、、 
 ○個人的な好みでBest 5を挙げるとすれば 
  1.仏像 2 風神・雷神 3.ボストン 肉筆浮世絵 
  4.(同点)モダンパラダイス 
  4. (同点)大エルミタージュ
  次点 ベルギー王立 
  といったところか。。。 
 ○江戸東京博物館で開催されていたボストン美術館のピーゲローコレクション、肉筆浮世絵には
   新たに発見された北斎の朱鐘馗を描いた端午の節句用ののぼり旗を始め、普段ボストンでも   なかなかお目にかかれない名品が数多く里帰りしているので見ごたえがある。 


。。。って書いていて気付いた。。フェルメール以外では20世紀の西洋モダン絵画が好きだと自認している筈の私が選んだ上位が全て日本の古いものだったとは。。あれれ。。。。 
     
ナガークなっちゃったから、その理由は、まったねー ^^/ 

行った施設(★はぐるっとパス不使用)と企画 
国立科学博物館付属自然教育園
出光美術館 企画 風神・雷神 
ブリジストン美術館 企画 なつの常設展 
泉屋博古館分館 企画 近代洋画の巨匠たち 浅井忠               岸田劉生 そしてモネ 
大倉集古館 企画 Gold-金色が織り成す異空間 
松岡美術館 企画 花鳥画への誘い 
損保ジャパン東郷青児美術館 ウィーン美術アカデミー名品展 
国立近代美術館 企画 モダンパラダイス展 
東京芸術大学美術館 企画 NHK日曜美術館30年展 
国立西洋美術館 常設 フランクブランディン版画展 
国立西洋美術館 企画 ベルギー王立美術館展 
東京都美術館 企画 大エルミタージュ展 
恩賜上野動物公園 入園
上野の森美術館 企画 生誕100年 ダリ回顧展 
国立科学博物館 企画 ミイラと古代エジプト展 
旧東京音楽学校奏楽堂 日曜コンサート 
東京国立博物館 企画★ 「仏像」一木にこめられた祈り 
山種美術館 企画 竹内栖鳳と弟子たち 
国立近代美術館 常設★ ガイドツアー 
東京都現代美術館 常設 ガイドツアー 
江東区深川江戸資料館
東京国立博物館 企画 「仏像」一木にこめられた祈り 
江戸東京博物館 企画 ボストン美術館展 
江戸東京博物館 常設
世田谷美術館 企画 ルソーの見た夢ルソーに見る夢 
東京都庭園美術館 企画 アールデコジュエリー 
森アーツミュージーアム★ クリーブランド美術館展 
森美術館      企画 ビル・ヴィオラ はつゆめ 

2006年11月10日金曜日

【過去日記 2006/11/10】 再び 「仏像 一木にこめられた祈り」 


再び、東京国立(こくりつ)博物館で開催中の仏像~一木にこめられた祈り展に出かけました。 
今週から後期に入っていて、寺を離れた場所で公開されるのは初めて!という滋賀・向源寺(こうげんじ)の「国宝十一面観音菩薩立像(渡岸寺(どうがんじ)観音堂所在)」が拝めるからなのですぅ。 
その姿の美しさから白洲正子、井上靖、土門拳、水上勉といった昭和を代表する(!?)文化人達の心を奪って止まない、というのですから、見なきゃ損、損?! 

絵画も同じだけど、仏像、彫像全て実物は、写真では及ばない迫力や美しさというものに触れることができるなぁ、というのが、実感。http://event.yomiuri.co.jp/2006/butsuzo/ 
http://event.yomiuri.co.jp/2006/butsuzo/kannon.htm 
この国宝十一面観音菩薩立像が普通の十一面観音像と大きく違う特徴、暴悪大笑相を除いた変化面全てが正面に位置し、慈愛に溢れた菩薩の顔を取り巻く妙、そして裏側の暴悪大笑相だけが菩薩の後頭部に突き刺さるように配置されている異形は見る者に強い印象を与えます。
 

もちろん前期だけにしか公開されなかった「国宝 菩薩半跏像(伝如意輪観音・京都・宝菩提院願徳寺蔵)」も、切れ長できりりとした目や流れるような天衣の襞が実に典雅な美しさを湛えていて、また襞の隙間から台座蓮弁が透けて見えるような工夫がある為360度いずれの角度からも、違った美しさを堪能できました。 

人によっては、寺で置かれているようにほの暗い庫裏と同じ環境で見るべきという意見もあるかもしれないけれど、こうやって、仏像の裏面に廻ってみれば、細心の心配りや、仏師の企図した心の理解の助けとできるのも、こういった企画ならではの至福です。 

偶然出会った知人は向源寺で十一面観音像を拝観したものの、白洲正子が訪ねていた時代とは違い裏面が見えなかったので、今日初めて全方位から拝むことができた、と言っていました。 

サブタイトルとなっていた、「一木にこめられた祈り」が円空・木喰作品に至る全作品からしみじみと伝わる本当に良い展覧会でした。 

。。。と言葉遣いまで丁寧になってしまった。。 

おまけ 
いつか、後で書くよん、と言っていたその他の上野周辺の企画展の感想を手短に。。(と言う割に長かったな。。) 
① ベルギー王立美術館展   
国立西洋美術館の入り口にこの展覧会の3枚の目玉作品の大看板が掲げてあります。。 
時間のない人は通りがかったときに眺めていってください。。って感じかなー。それぞれは素晴らしいですよ、勿論。その他はオヴィディウスの転身物語を熟読してから行かないと楽しめないのかも。。個人的にはルーベンスの「聖ベネディクトゥスの奇跡」がなかなかよかったけれど。。横にこれを模したドラクロアの同じサイズの作品がありますが、断然ルーベンスです。。 


② 大エルミタージュ美術館展 
  300万点の所蔵品のうち絵画だけでも17千点もコレクションしているエルミタージュの油彩画の中から「都市と自然と人びと」をテーマにした80点。ベルギー王立美術館展と違って目玉作品はないものの、実力派ぞろいと言ったところか、地味ながら見ごたえがあった。惜しむらくはエカテリーナの秘めた恋などに焦点を当て「イタイ」と評された山口智子の事前宣伝番組が展覧会のテーマを散漫にしたことかもね。でも、行けば良品に出会えます。。  

③ ダリ回顧展 
 逆にメディア戦略として商業的成功を収めたのが、こちら。。シュールレアリズムもダリにも縁遠かったかもしれない人も集めて大盛況。。でも「十重二重(とえふたえ)」とはこのことか、という環境に置かれると、「見た気」もしないし、2度と展覧会なんて来たくなくなるのではないかなー、という逆効果ばかりが心配になってしまいましたよ。。ま、こちらも、行ったのが日曜朝一番という最悪の時間帯を選んだせいでもあるんだけど。。 

展示作品はフロリダとフィゲラスの両ダリ美術館からの逸品を集めているので、好きなら垂涎モノかもしれないけれど、シュールな絵はわからん、という人には???でしょうかね。。個人的には少年時代に描いたという「魔女のサルダーナ」、見た瞬間に「えーっつ」って思っちゃった。マティスの「ダンス」の構図そっくり。。音声ガイドでもダリはマティスのダンスの絵を見たことがあるのではないか、と解説していましたが。。 


以下追加 as of 2013/2/10
ちなみに、ダンスのエルミタージュ版は↓(photo by Rose Wine all rights reserved)

    2006年11月5日日曜日

    【過去日記 2006/11/05】 Guided tour all day...

    疲れますな、予想されたこととはいえ。。 
    芸術の秋は。。 

    でも、もう一日頑張るか! 

    。。。という訳で、今日は人に頼ったお勉強。。 

    毎月第一日曜は、入館無料の上、ボランティアによるガイドツアーがある国立近代美術館。 
    年配のボランティアの方が常設展示を明治維新以降の近代美術の歴史を辿る説明を丁寧かつ上品に話しててくれる。 

    昨日は栖鳳の空間の余白に心を奪われたけれど、日本画も進化すれば横山操のような迫力にも目を奪われる。 





    説明者の品位が絵画・彫刻の質を際出せてくれることを改めて思い知らされる時間。 

    。。。というわけで、引き続きまして、もっと現代に向かってススメー。。 

    何せ6億円でこのリキテンシュタインを所蔵作品にした、という事で批判の嵐を受けた東京都現代美術館。前からこのヘアリボンの少女に会いに行こう、と思いつつ今に至る。 

    現代ともなると、ますます解説がないと素通りする絵が多いので、こちらもガイドツアーを聞きました。 

    でも、気になったのは6億円の絵ではなく、この大きく豪華な(洗面所にはグローエの水栓!)ドンガラにたった百人程度の人しか来ていない事。先週の上野の芋洗い状態のダリ展の100分の一にも満たないのではないかしら。。 

    ゆったりとガイドツアーを聞いて、じっくり絵を眺められる至福は得られたものの、複雑な気分でありました。。 

    2006年11月4日土曜日

    【編集済過去日記 2006/11/04】  ストレッチぃー

    残り少なくなった、ぐるっとパスの行き先は。。 
    三番町山種美術館。。 

    19日まで開催中の「竹内栖鳳と弟子たち―重要文化財《班猫》登場― 」 
    ふつう「まだら」は「斑」と書くけど、箱書きは「班」と書かれているし、
    「まだら」の意味があるから正式名は「班猫」 でいいそうです。。 

    まっ、そんなトリビアは別として、江戸末期から明治、大正期の日本画壇を代表する西(京都)の竹内栖鳳。 

    この展覧会では22作品に出会うことができますが、いずれも素晴らしい。 

    上村松園が「とにかく写生をしなさい」と言われたというだけあって、そのデッサン力に裏打ちされた絵の巧さに引き込まれる。。 

    西洋に旅したことがきっかけか、軸絵も縦長ではなくって横に展開する構図を好んで描いたということだけど、縦だろうが横だろうが、短冊であろうが、本当に空間の使い方が素晴らしい。 

    班猫もいいけれど、私が気に入ったのは「緑池」。透き通った池の水面にちょこっと顔を出している蛙が実に生き生きと描かれていて、なんだか心もストレーッチ! 


    明日も頑張れるかなー。。

    2006年11月1日水曜日

    【過去日記2006/11/1】まだあるヒソカな上野のお楽しみ。。光彩時空ライトアップイベント



    怒涛の3日間で疲れ果てたくせして、またも懲りずに。。。 
    今週は鑑賞時間が金曜のみならず、午後8時迄という行幸を利用して、東京国立博物館にまたまたお出かけしちゃいましたよ。。 
    そこで、何故今週に限って全日午後8時までやっているのかが判ったような。。。 
    今週日曜迄やってます、ライトアップイベント+邦楽ライブ「光彩時空」。 

    東京タワーの照明等で有名な石井幹子さんのプロデュースとかで、まだ完全に色づいていない博物館敷地内の木々を赤く染めて幻想的な空間を展開しています。 

    平成館での鑑賞を終えた20時を過ぎた後は邦楽ライブも残る1回だったのだけど、この場所に選ばれていたのは法隆寺宝物館の前、場所によって、それぞれ雪月花、時空のタイトルがついていた。で、法隆寺宝物館前は「花」。ライトアップされていて初めて気づいたのは、法隆寺宝物館の前に広がる人工池の間を突き抜ける道が歌舞伎の花道のようなデザインだった事。そして池は観客席。イルミネーションに縁取りされたその花道を奏者が笛を吹きながらしずしずと進む様は厳かでもあり、不思議な感触。。そして既に着席して待っていた小鼓、大鼓、太鼓で奏でていた調べは、時にさざなむ水面に映る光と共に冷えてきた夜に広がり。。。 

    こんなヒソカな楽しみもある、上野の夜でした。。 

    ところで、今日のお目当ては特別展「仏像-一木にこめられた祈り」です。 
    ここのところ各種廻りましたが、予想通り(!)、ナンバーワンです。。 
    今日は、オープンしていること自体を知らない人が多いせいで、大変ゆったりと見られた事も相当好印象にしている原因であることは認めますが、もし、上野で一箇所しか行けない!という場合は絶対オススメです。。 

    なーんて書いてるだけで、もうこんな時間になっちゃったので、理由はまた。。。ということで。。