しもた。前回の木村荘八展の期間中に買わにゃあかんかったん、下手してもうたわー。。
いや、年間パスの事ですよ、年間パス。もう売ってないんですって。そう書いてあったのかもしれないけれど、損したわー。
だって、この東京ステーションギャラリー、ちょいと広いから昼休みで見るには二回にわかるが丁度よし、って感じだったのよねー。パスあれば何回も行って確認できるし。。。
が、ないとなれば仕方なし。気合を入れて回りましょう・・・・
という訳なので、細かくメモとったりはせずに、気に入ったのだけじっくり見つめる方式で。。。
さて、クラウス。明治維新後の東京美術学校の洋画の人たちが黒田を始めとして続々とパリに向かいコラン師など、ツテを頼ってお勉強した、というお話は、ちょうどこの間ブリヂストンで勉強しましたね! http://pikarosewine.blogspot.jp/2013/06/paris-1900-194、5.html
その頃の留学先は殆どパリ、というかフランスでしたが、勿論お隣の国にも少なくとも二人は留学した、その師がクラウスさんだった、という事なわけです。
ベルギー印象派の画家、エミール・クラウスについての日本初の展覧会を開催します。1849年に生まれたエミール・クラウスは、フランス印象派などから影響を受け、独自のルミニスム(光輝主義)といわれるスタイルで、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍しました。太田喜二郎、児島虎次郎という2人の日本人画家がクラウスに教えを受けたことでも知られています。
ベルギー近代美術史の展開を考えるうえで、また印象主義の国際的な伝播という観点から見たときに、そして日本への影響という意味でも、非常に重要な画家であるにもかかわらず、これまで日本ではクラウスをテーマにした展覧会は開かれてきませんでした。
本展は、フランス、ベルギー、日本の印象派の作品とともにクラウスの代表作、あわせて計65点を展示し、国際的な印象主義の展開の中にこの画家を位置づけ、陽光あふれる田園の情景や、自然の中で暮らす人々の姿をいきいきと描き出したクラウスの魅力に迫ります。[美術館サイトより]
ベルギー近代美術史の展開を考えるうえで、また印象主義の国際的な伝播という観点から見たときに、そして日本への影響という意味でも、非常に重要な画家であるにもかかわらず、これまで日本ではクラウスをテーマにした展覧会は開かれてきませんでした。
本展は、フランス、ベルギー、日本の印象派の作品とともにクラウスの代表作、あわせて計65点を展示し、国際的な印象主義の展開の中にこの画家を位置づけ、陽光あふれる田園の情景や、自然の中で暮らす人々の姿をいきいきと描き出したクラウスの魅力に迫ります。[美術館サイトより]
エミール・クラウスはブラッセルで開かれた「20人会」の展覧会でスーラの有名な《グランド・ジャッド島の日曜日の午後》→コレデスネhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%88%E5%B3%B6%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9B%9C%E6%97%A5%E3%81%AE%E5%8D%88%E5%BE%8C
が展示され衝撃を受けたんだそうです。その頃流行のモネやルノワール以上だ!と興奮したようです。そのモネやシニャックも出展したという「二十人会」が解散後は「自由美学」「ルミニスム(光輝主義)」に収斂していき、フランスの真似ではない独自性を目指したようですね。
とはいえ、その「二十人会」にフランスの有名画家が随分出展していた・・つまりパリとブラッセルは距離的にも交流という意味でも近い存在だったんだな、ということ。独自性とはいいつつも影響は大きかったのでしょうね。
展示は章立てとは全く違い、第二章から始まる感じですが、その合間合間に第一章にまとめられているエミール・クラウスの作品が登場したり・・
ちなみに章立ては
第一章 エミール・クラウスのルミニスム
第二章 ベルギーの印象派:新印象派とルミニスム
第三章 フランスの印象派:ベルギーの印象派の起源
第四章 ベルギーの印象派 日本での受容
うん確かにルミニスム・・明るい絵で、印象派でも、衝撃を受けたというスーラの点描とは一味違う感じですね。とはいえ、光を捉えるにあたって粒子・・光の粒に目を向けるとどうしても点描的になったりしますよね。
中央に位置する家の屋根が濃い紫の記憶が印象に残ったのはアンリ・エドモン・クロスという人の《雲》。この人はフォービズムに影響を与えたようですね。
そして、次に印象的だったのはコランになじめず太田を頼ってベルギーにやってきてゲント美術アカデミーに学び、クラウスの批評を求めたという児島の《和服を着たベルギーの少女》。
児島虎次郎《和服を着たベルギーの少女》 美術館サイトより |
その後は大原美術館のコレクションを築いたそうですが1919年に二度目の渡欧をし、更に買い付けを続けたとか。二度目の渡欧後の作品の展示がなかったのが残念ですが、その後はクラウスやルミナスムの影響はないのかな?
そうそう、本展の主役はクラウスでしたね。
クラウスの作品では巨大な《そり遊びをする子どもたち》
これは本当に大きくて、近くでみても勿論よいですが、あの広い展示室の反対側から見ると、少しピンクがかった薄い冬の陽の光なのかな、その光が氷に反映して、つかの間の冬の楽しい時間を表現しているように思える佳作です。
エミール・クラウス《そり遊びをする子どもたち》 |
そして、この《レイエ河畔に座る少女》の光は、本当に明るくて、しかも印象派とも違った光の感じはまさに彼が狙っていた表現なのだろうなー、と思わされます。写真のようでもあり、でも写真では表現できない粒子の大きさ。
エミール・クラウス《レイエ河畔に座る少女》 美術館サイトより |
後、面白かったのは、モネと同様のウォータールー橋を描いた絵《ウォータールー橋、黄昏》。
モネは何枚も描いているので勿論一枚と比較することはできないけれど、モネの描くそれは、朦朧とした空気の中に橋がボーっと浮かんでいるような印象ですが、こちらは遠くから見ると特にコントラストが強い印象です。
どちらが良いということはないけれど、光を捉える時の見方と表現の仕方によって、同じ風景でも違う印象になるという好例なのだと思います。
エミール・クラウス《ウォータール橋・黄昏》 これは六本木ヒルズクラブのタウンガイドから |
クロード・モネ《霧の中の太陽(ウォータールー橋)》 |
もたもたしているうちに会期も終わってしまったけれど、なかなか良い展覧会として周りでも評判がよかったですね。石川県立美術館他国内巡回の予定があるようです。
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