2013年2月13日水曜日

【訂正あり】 やっぱり、夕日だと思ったの。。。私は・・・奇跡のクラークコレクションのブロガー内覧会での質問に答えてみます♪

日本人が苦手なLが三個もはいっているから(?)日本語でクラコレと省略するのは
まだよいとしても、何故にガイジン(と思しぎ女性)に「くら~(ク)、こ~れ!」
(Claaaaar(k) coooolle?)と言わせて宣伝するのかい!と突っ込みを入れたくなる
三菱地所のクラークコレクション展の宣伝を聞くたびに、「ヘンチクリンな英語を使うなんて。
。ったく、困ったもんだ」と思っていたわけですよ。

ま、それだけで、宣伝効果はあった・・ともいえる訳ですがね。

それはともかく、青い日記帳でおなじみ中村さんのブログ情報を見逃していた私でしたが
美術愛好仲間とのプチ新年会で、内覧会情報をゲット!早速申し込みをさせて頂き、
いつもの籤運を発揮して(?)3倍とも噂される倍率をものともせず(苦笑)、当選させて頂いた
ので、、伺ってきましたー。(ホントハソレホド印象派ラブデハナインデスケドネ。。)

展覧会そのものは三菱一号館美術館であるわけですが、解説の会は、その突っ込みどころ
満載の地所さんが展開しているMarunouchi Cafe倶楽部21号館@新東京ビル(一号館美術館の向かい)という会員制クラブで開催されました。


18時から開催だったので、ちょいと遅れて行ったので、冒頭部分は聞き逃しちゃったけれど
阿佐美学芸員のお話の印象に残ったところは・・・

1)クラークコレクションがマサシューセッツ州西部のバークシャー地方ウィリアムズタウンにあって、ボストンからもNYからも遠いので、なかなか行ったことがある人は少ないであろうこと(タシカニ。)

2)よって、こちらのコレクションを日本に居ながらにして鑑賞できる(シカモニホンジンダイスキナ印象派ダモンネー)機会は貴重で、しかも73点もやってきたこと。でも、巡回展の途中で、ベルト・モリソとポール・ゴーギャン作品の2点が状態がよくないことが判明して、来ることが不能になってしまったこと。ついでながら、一号館美術館が持っているロートレックのポスターの油絵版も貸し出しをお願いしたけれど、断わられてしまったこと。(巡回展トハイエ73点モカリレタダケデモスゴイトオモイマスガ。。。。残念ソウニ語ラレル阿佐美サンノ絵ニ対スル情熱ガスバラシイ)


3)ルノワールを中心として、コロー、ミレー、ドガ、モネなどの印象派を代表するそれらの73点は19世紀の美術史が時系列的に順を追って判るような展示となっている事。

4)コレクションはスターリング・クラークが恋に落ちたコメディフランセーズの女優フランシーヌと結婚して欧米で収集した作品で質の高い絵の数々であること。また、スターリングは大変な馬好きで、軍役を退いた後も中国を馬で廻ったり、ノルマンディーとヴァージニアでサラブレッドを育成する広大な牧場を持っていたそうで。(マ、巨万ノ富ヲモテアマス程の資産家デショウカラ、牧場クライハ持ッテマスヨネ)その、馬好きの片鱗が現れたドガの小品に見られる(ト話サレル阿佐美サン、興奮ギミ)そうな。

右側の小品がドガの≪レースの前》

5)(コレハホームページノ作品紹介ニモ解説サレテタケド)ルノワール「劇場の桟敷席」は、依頼主に受け取りを拒否されたエピソードがあること、赤い緞帳で塗りこまれていた男性の姿が見えるとか、見えないとか。(チナミニ阿佐美サンハミエナイトイウノ。正直ナ人ダナァ。。)
サァ見えるかな?

6)ルノワールのオオトリはアルジェリアの服装をした白人の少女。当時の総督のお嬢さんの名前フルーリー嬢がついているけれど、実在の人物ではなかった、というコネタ。

7)スターリングは白い花の絵がほしくて欲しくて、ずーっと画商に頼んでようやく手に入れたのがルノワールの「芍薬」。

8)ジェロームの「蛇使い」に描かれた壁はイスタンブールのトプカプ宮殿のスタイルだけど、床のデザインや裸の少年の蛇使い等、実際にはあり得ない光景を描いている。


9)ジェームス・ティソの「菊」。ティソはイギリスかぶれで、名前も英国人風にジェームスに変えているが、絵の方は当時万博で来ていた殿様(徳川の?)によりブームになった日本の影響があるとか。


そして・・・
10)モネの「エトルタの断崖」。モネはルーアンの大聖堂や積み藁など、ひとつのモチーフを時間を変えて、光の変化を捉えている。これも写真で見るよりずっと、ピンクがかった光に包まれているので夕方とも取れるが、阿佐美さんは朝の光だと思ったので、クラーク美術館の人に聞いてみたが、わからないと言われた。さて皆さんはどちらに感じますか?

タイトルに使わせていただいたのは、この質問の答えです。私なりの。
おっしゃるようにピンクがかった光の反映自体からしてもやはり夕方の印象が強いように思いました。ブルターニュは行ったことがないので、ちょっと自信ないけど、その後のフォービズム(私は実は印象派よりフォーブの人たちの絵の方が好き。。。汗)の画家達が描いていたサントロペとかで光を確認したことがあるんです。あぁいうふうにピンクに見えるかなぁーとかね。
で、その時感じたのは朝の光はもっとまぶしい感じになるんですよねぇ。。だから、この断崖のような名残惜しさがないんじゃないかなぁ。。と。
それでも決定的な自信はないので、画像検索して実際の写真と比べて見ました。地形とも付き合わせると、海岸線に向かって左が海の構図の位置は左側が東のようですね。
(・・・・と、最初書いたんだけど、手前が南だから突き出たほうは西ですねぇ)

海岸線から突き出た腕のような岩と海で覆われた奇岩の上部の方に光があたって、その光の反映が海のピンクにつながっていることを考えると、やはり西日が当たっている、と考えるのが正解な気がします。(阿佐美サン ゴメンナサイ。)(・・・というわけで、突き出た奇岩側が西なら。。逆ですよね。。ってことは???朝日??)

もっとも、この絵にはすがすがしさがあるから、朝の光だと解釈されたとしても、絵は人の捉えかた次第ということもありですから、クラーク美術館の人の「わからない」が正解なのかもしれないけれど。。(笑) 

さて、当日遅れて行ったため、ツイッターのハッシュタグもわかんないし、その場でつぶやくことはせず。家に帰って、感想かきましょって思っていたら、なんとメモをちょこちょこ書いていた出品目録をどこかに落としちゃった、んですーー。。涙

なので、結局当日のつぶやきとしては
これっきり↓
時発信できなかったし、どこかでメモ書いた作品一覧の紙無くしちゃったのだけど、内覧会で気に入ったのは①ルノワール《シャクヤク》②ステヴァンス《公爵夫人(青いドレス)》 ③マネ《花瓶のモスローズ》 いや、本当は印象派さほど好きじゃないのに、後からシミジミいいなと思う #クラコレ

ごめんなさいっ
でも、その紙をゲットするためというか。。もう一度今度は写真を撮ったりして集中できなかった分、
絵に入り込むため、翌日の昼休みに再訪。これも、内覧会の時に頂戴した招待券があってこその芸当。助かりました。本当にありがとうございます。


つぶやいたように、内覧会で一番印象的だったと思ったのは≪芍薬≫。

画面構成がね、いいの。
つまり、この時代に、あそこまで花瓶と花にズームしちゃって、額の中に納まらない感じで描いた静物画ってあんまりないんじゃないか?と思うくらい(違ってるかもだけど)斬新な構図だと思うし、色鮮やかだし。。。ダイナミックで強烈な印象。隣にベルト・モリゾの花瓶に入った花の絵があるけど、この芍薬のせいで、ぼけた絵のように見えたのはいかにも残念。単品だけならきっと、そんなこともなかっただろうに。。

一方、三番目に挙げたマネの≪花瓶のモスローズ≫はそれに比べるとずーーっと、小品だし、平面的なマネらしい背景のグレー(もマネらしい)のちょっと上の余白がすくない感じの場所から三角錐形にピンクの花が配された花瓶と、床面に置かれた一輪のバラ。花瓶の胴体の部分が水の屈曲した感じで、立体感が強くでていてフシギなアンビバレントな雰囲気を醸し出している。
同じ部屋の違う面に飾ってあるからかもしれないけれど、こちらは芍薬には負けていない感じです。


一点撮りはできないので、なかなかお伝えできませんが、やはり、ここは、実際に見て感じてもらうのが一番。


その実際に見て・・という中に二番目に挙げたステヴァンスの青いドレスをきた公爵夫人の小品があります。暖炉の上にかかっているこの作品、良く見れば、フランドル絵画に登場してきそうな、海外から(と思しき・・・その理由は彼女の後ろの和風?な屏風が示している。。という絵解きではないかと・・・)送られてきた手紙を丁寧に封を開けるのももどかしく開けて読んだ後の放心状態。。といった風情であるのですが、絵の中の物語より、一瞬に訴えかけてくる濃いブルーのドレス、それそのものが非常にアイキャッチーな感じなんです。

その脇の壁にかかっている同じ画家の≪思い出と後悔≫と比較すると塗り方や大きさ、女性の表情、そのいずれもが、正反対のイメージで、この二枚を手に入れるときにクラーク夫妻が何を思って選んだのかなぁーーー、と思いを寄せることができるのも一興です。
この他、いろいろなfindingsがありました。

帆船ばかり三枚かかっている部屋には、一面にモネとブーダンが並んでいますけど、ブーダンの作品は、これから嵐がやってくる予想の中慌てて港に戻ろうとする船が描かれている(・・と思われる)のですが、風雲急に掻き曇って波頭が乱れている激しい動きがその絵の中から伝わってきます。
一方のモネは、その後の彼の活躍からすれば、極めて平板というか動きの少ない、色も暗いんですよね。1866-67年頃というので、初めてサロンに作品を出した直後くらい、まだモネらしさが感じられず、ここは師匠であるブーダンに圧倒的な軍配が上がるなぁ。。。
左がブーダン、右がモネ


でも、その後に続く部屋に架かっているモネの作品は、ぐんと明るく印象派の王道な感じで、見飽きないですね。そして、ルノワールも。。(アレ?)



そういえば、ブリジストンの新所蔵となっているピアノを弾く若い男の絵のせいで、頭の中にイメージが固まってしまったカイユボットですが、とてもステキな≪アルジャントィユのセーヌ川≫の絵に出合えました。これも構図が三角でいいなぁ。。


右の絵がカイユボット

とか、とか、とか。

一枚一枚解説したくなるくらい、二度の鑑賞で、色々な発見があったわけです。
冒頭から申し述べておりますとおり、私はルノワールの大ファンでも印象派の大ファンでもないんですけどねぇ。。印象派と呼ばれる絵画群の中でも、しみじみと良さがしみこんでくるような絵を集められたのだと思うと、これが日本で拝見できるその「奇跡」をかみ締めることができるのではないかしら。

いやいや、ありがとうございました。

5月迄やってます。

「奇跡のクラーク・コレクション」----ルノワールとフランス絵画の傑作
2013年2月9日(土)-5月26日(日)
三菱一号館美術館


PS。私は男の人見えた・・・と思います。肩も左手も。

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