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2015年5月6日水曜日

やっぱり抱一と守一が好き♪ーーーー琳派400年記念 京都 細美美術館 琳派のきらめきー宗達・光琳・抱一・雪佳ー @日本橋髙島屋

江戸時代に華やかに展開した琳派。王朝文化の復興をめざした裕福な町衆らによって創始され、時を経て隆盛し、大坂にも広がりをみせます。その後、花の都・江戸において装いを新たにし、さらに近代の京都で再興されました。400年の歴史を持つ琳派は、日常の中で追及された日本独自の美、そして日本人に寄り添った美として高い人気を博しています。
本展では、琳派を幅広く蒐集し、国内外から高く評価されている「細美コレクション」を通して、京都・大坂・江戸と3つの都で咲き誇った系譜を総覧。それぞれの特徴や魅力を、美術館開館以来はじめての規模で展覧いたします。また、今回出品される屏風や掛け軸などは細美家で実際に飾られたものもカス多く、個人コレクションならではの視点と美意識が光る琳派を紹介いたします。
日本が誇る美の世界「琳派」の優品の数々を、細美コレクションでどうぞお愉しみください。
展覧会ちらしより

今年は琳派400年ということであちらこちら、特に京都で、琳派関連の展覧会が多く開催され、観るほうも忙しい、忙しい。
つい先日(といっても、もう1月の事でしたな)、三越で岡田美術館の所蔵する「琳派名品展」があり、デパートで開催する展覧会とはいえ、もとの所蔵する美術館次第では十分に良い作品を見られるということを覚えた私、今回は混雑する前の午前中に出かけてきたわけです。
細美美術館の琳派作品は有名ですからね。(デモナカナカ機会ガナクテ行ケテナイ)

展覧会構成は以下の通り
第一章  琳派誕生ー光悦・宗達の美ー
第二章  花咲く琳派ー光琳・乾山と上方の絵師ー
第三章  新たなる展開ー抱一と江戸琳派ー
第四章  京琳派ルネサンスー神坂雪佳ー

第一章 琳派誕生ー光悦・宗達の美ー
琳派の誕生はいわば総合プロデューサー光悦が家康から鷹峰の土地を与えられて今でいうところのアーティスト村を作ったことから・・・とか言われていますが、どこが起点かという事はともかくとして、扇や料紙を扱ってた宗達と光悦が間違いなく時代を切り開いてますよねー。
だって↑の扇面《月梅下絵和歌書扇面》の画面を対角線に金泥、銀泥の二分割に分けるとか、そんなこと今は普通に見てるけど、この時代すごく斬新ですよね。
対角線という意味では、同じく宗達が描いている《伊勢物語図色紙「大淀」》も口説く男を女が拒絶する場面をうまく対角線の左上と右下に男女を配しその間に海山雲松で区切る。。二人の心の距離を巧く表現しています。
今根津でやっている光琳の《燕子花図屏風》ではパターンのように同じ型紙を使っているということが有名ですけど、実は光悦・宗達の作品にもパターンはみられますよね。《忍草下絵和歌巻断簡》の上部は金泥と銀泥の藤が描かれているけど、これって絶対型紙のようなものを使っていますよね。同じように光悦の《和歌短冊》の和歌の背景の草もパターンだし。ついでに隣にあった《前田宗悦宛書状》を貼った掛け軸の中廻し部分の右側の草の葉と全く同じ柄、思わずこれも光悦が描いた(描かせた?)のかな・・・と思ったりもし。。。

光悦の養子の嫡男だったという本阿弥光甫の《梅に鶯図》 抑えぎみなふくよかな線がよかったわー。。

第二章  花咲く琳派ー光琳・乾山と上方の絵師ー
冒頭登場の光琳の《宇治橋図団扇》
いかにもという絵柄と大胆な線ですねぇ
それに日して乾山の《唐子図筆筒》はらしくない・・・と思ったら、中国の赤絵写しだった、
今回は光琳・乾山の作品は少な目で、むしろ工房のお弟子さんたちや私淑した芳中の作品が多く並んでいるのがこの章の特徴。気にいったのは渡辺始興の《簾に秋月図》 簾のむこうに桔梗、ススキ,藤袴を配し、外隈の大きな月に照らされた一種エロい感じの絵なんですえ。あとね
《白象図屏風》、二曲一双の画面を斜めに白象を配したところが、なんかいいなーって。今サントリーでやっている若冲の象はなんとなくコミカルだけど、この人のは絶対観て描いたよね、と思う精緻さ。

芳中は六曲一双の《白梅小禽図屏風》が金箔地の上に大胆な筆で描かれていて細美の持つ代表作なんでしょうが、なんか、琳派っていってもずいぶんと光琳とは違った力強さみたいなものを感じて、個人的にはこれよりも抑えめの朝顔図だとかの方が気に入りました。

さて第三章は私の大好きな抱一の名前が冠されてます。いや、昔っから抱一のその育ちのよい品の良い作品群が好きで、弟子の其一さんは玉石混交でどうよっていう感じ、其一さんの息子の守一さんは好きだなぁという作品が多いんです。
今回もそれをまざまざと感じることになりました。
たまさか、細美家の現在の当主のお父様が琳派に傾倒・蒐集することになったのが抱一の美しい団扇《鹿楓図団扇》だそうで、そんなことからなのか、抱一作品は品の良いものばかり。とりわけ以前トーハクでの「大琳派展」でも拝見したと思う《桜に小禽図》と名付けられた(大琳派展では《桜に瑠璃地鳥》
であったみたいなので似た別ものかしら?)軸一幅とそのとなりの《雪中檜小禽図》が対をなすように並んでいたのだけど、ご当主も語っておられましたが、育ちの良さがにじみ出たような気品のある作品。桜のS字カーブも自然に一番美しい姿に描かれていて、やっぱり好きだーと改めて思ったりし。
ところで蒐集のきっかけとなったという団扇の鹿の姿はどことなく光悦・宗達の作品で宗達が描いた鹿に似ているんですよねー。いや鹿の振り向く角度とかを考えると全然違うんだけど、印象が似ている。






玉石混交と書いたけど、こちらがお持ちの其一作品は、比較的抑えめでまぁまぁ好みのものが多うございましたが、やはり息子の守一の作品の方が記憶に残りました。《楓桜紅葉図》は中廻しの上下に桜の木を配し、地面には桜の花びらが散り、タンポポが咲いている様、上は桜満開、左右には燕子花やらそのほかの季節の花を配しているんですね、オサレ。。。しかも表装の中廻しの絵も手描き。
同じように手描きの表装(描表装)の《桜下花雛図》《業平東下り図》などうっとりするくらい素敵。

あと、名前はないのだけど《四季草花虫図屏風》(六曲一双)がよかったなー。右隻は金箔地に春夏を、左隻は銀地に秋冬の草花と虫を描いた屏風で、左隻は季節こそ違いけれ、これまたトーハクの「大琳派展」でみた光琳の風神雷神図屏風の裏側に描かれていたという抱一の《夏秋草図屏風》を彷彿とさせるタッチのような気がしたんですよねー。

最後の章は神坂雪佳。

岡田美術館の時は加山又造に至るまでの流れだったけど、こちらは神坂雪佳まで。でも雪佳は充実。なんといっても、中廻りに葦簀まで描いてしまった《金魚玉図》の秀逸さには脱帽でした。

比較的開催が短い期間なのでお早めに。

琳派400年記念
京都・細美美術館
琳派のきらめき
ー宗達・光琳・抱一・雪佳ー
2015年4月29日(水)~5月11日(月)
日本橋髙島屋8階ホール





2012年4月23日月曜日

【過去日記 2012/4/23】寝てもさめても カキツバターーー100年ぶりの再会に立ち会う

昨日から始まった根津美術館のKorin展に、行ってまいりました。
100年ぶりに再会したのは、根津美術館の「燕子花図屏風」とメトロポリタン美術館の「八橋図屏風」。
それぞれ別々に観たことはあるけれど、並列して展示されたのを見たことはなかったわけで、この再会の機会が訪れる予定だった昨年の春先を楽しみにして待っていたのですけど。311の後にメトロポリタン美術館からの「八橋図」の渡航が停止してしまいお預けに。
そんなわけで張り切って初日に出かけたというわけで。。
根津美術館はもともと大きな特集の企画展示は1階の展示室1のみで、続いている2は関連展示の時が多いのだけど、それでもたいてい数がそれなりにあるわけですね。
しかし、普段すだれのようなもので途中を仕切って、展示面を仕切ってありますが、今回ばかりは全て取っ払った広い空間の真ん中に「燕子花図屏風」と「八橋図屏風」が陳列されている以外は8作品のみ。そのうち今回のカキツバタや八橋で連想される「伊勢物語八橋図」と掛け軸仕立てになっている「燕子花図」が含まれていますから、とても優雅で豪華な展示です。

前回根津のリニューアルオープンの時に拝見した時は、箔がこすれて落ちていてあまり状態がよくないことが気になったりしていて、メトロポリタンの方がきれいかなと思っていたのだけど、今回は、最初に見た時は、自由闊達さにおいて、「燕子花図屏風」のほうが躍動感があるかな。。と思ったんですね。
でも、観ているうちに、そう感じたのは「燕子花図屏風」のカキツバタの方がパターン化した花の大きさが大きいし、色も比較的均一ということが、そう思わせていたことに気付きました。同じ幅と大きさのの六曲一双の中に八橋も描かれている10年後くらいに描いたといわれている八橋図に描かれているカキツバタのほうが少し小ぶりだし、色も均一でないように見えたのですね。
実際に、専門家によれば技法も違うようだけど、実物を前にすると何かが違う。。。
それで、何度も正面ばかりでなく、色々な角度から眺めていくうちに、八橋の存在が画面をシャープにしているし、逆に動きがあるように見えてくるように。。。
同じパターンで描かれているようだけど、微妙に違う・・・これが面白いところなのかもしれません。
でも惜しいな・・と思うことは展示の仕方かな。

私の記憶によれば、メトロポリタンで展示していた時(私もMMAにはどんだけ足を運んだかしれないけれど、MMAで観たことがあるのは一度だけ)はもっと屏風の位置が低く、上からのスポットライトに当てられた金箔地の中からカキツバタが浮き上がって見えるように展示されていた。それが印象的な記憶だったんですよねー。記憶違いかもしれないけれど。

本来湿地のような場所に生えているカキツバタの位置を考えると、目線を上にして観るより、少なくとも屏風の立てられている位置は畳の場所からにしてほしいなぁー。まぁ、これは日本のどこの美術館の展示にも言えることですから、八橋だけの問題ではないんですけどね。

目線がもう少し低いと、本来の光琳の意図が見えるように思うのは私だけかしら。

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html


Eight Planked Bridge by Korin Ogata 八橋図屏風 尾形光琳 @ MMA New York


Iris laevigata by Korin Ogata 燕子花図屏風 尾形光琳 @ Nezu Tokyo


おまけ情報: 根津美術館の年間パスがこの夏から変わるそうです・・といっても皆興味あるかどうかですが。今までは4千円/年で 一回ごとに200円引きだったのが 一気に8千円になって、いつでも入館OK こういう方式の美術館増えていますね。頭でとって経営安定化・・・はわかるんだが。。色んなところに行く私としては同じ展覧会を二回以上見るのは結構限られてしまうんですけどねぇ・・・・

2006年9月17日日曜日

【過去日記 2006/9/17】 400年前と300年前と150年前が66年ぶりの揃い踏み 10月1日まで 出光美術館(日比谷

○2日目でございます。ぐるっとパス。。今日もがんばるぞー。  この展覧会に行くつもりだったから、昨日最初の1枚を使ったのであります。。

○3
年ぶりでございます。宗達の風神・雷神屏風にお目にかかかるのは。  前回は鶴岡八幡宮の鎌倉国宝館で開催された建長寺創建750周年記念特別展で奉祝寺院である建仁寺からの出品作品でした。人もまばらでしたので、じーっくり、対面させていただきました。

○66
年ぶりなのだそうです。宗達とその実物を見て模写した光琳と、光琳をOriginalと思って模写した抱一の風神・雷神屏風が一同に会するのは。。  いやー、今日も出遅れたから午後になっちゃったという理由もありますが、いつもは静かな出光美術館が、それはそれは大変な人出でございました。 でも、66年ぶり、というか宗達の実物にだってなかなかお目にかかることができない中、光琳や抱一までもれなくついてきちゃうわけですから、混まないほうがおかしいです。はい。  

見せ方も非常に工夫され、構図・目の位置、足、へそ、手の握り方を風神・雷神に分け、徹底的に比較し説明するコーナーがあったり、宗達がいかに雷神のモチーフを気に入っていたかを他作品を紹介しながら説明したり、抱一の弟子の鈴木其一が金屏風ではなく襖絵として描いた風神雷神があることまでの体系的な解説がなされている。  

そればかりでなく、この風神雷神の構図から光琳が宗達に対する答えとして描いた紅白梅屏風のモチーフ梅や燕子花(カキツバタ)を抱一がどのようにアレンジしていったか、と見せ方に流れがあって非常に面白い展示でした。。
http://www.fujitv.co.jp/event/art-net/go/369.html
  



風神雷神に関しては、私的にはやっぱり、彫像などを研究した成果をもとにこの大胆な構図を作り上げた宗達が一番!





指が四本しかない雷神が鉄アレイのような雷棒を握り締めているのはまんがチックとまで解説された抱一の分が悪い。抱一が光琳の八橋図(メトロポリタン所蔵)のような構図にも挑戦している絵もあったけど、やはり光琳の大胆なあの八橋図の燕子花の印象に勝つことができていない。(メトロポリタンの薄暗い部屋一面に広がる八橋の印象が強いからかもしれないけど。。)やはりOriginalityって大切なんだなー。   


でもね、抱一の名誉のために言っておくと、模写から一歩踏み出た抱一の燕子花図屏風は構図といい、遊び心(白いかきつばたが3輪挿入されている)といい、無冠の風神雷神屏風よりお上も高い評価を下している(重文)良い作品で、私のお気に入りです~。。



☆p.s.  この後、京橋のブリヂストン美術館、白金台の松岡美術館を廻り、へとへとでーす。。頭の中も東洋>西洋>東洋>ヘレニズム>ガンダーラってもうパンクしちゃう! 廻り方悪かったか?!  それでも、やはり良い絵や自分にとって印象的な絵というものは記憶に残るものですね。。こうやって、ちゃんと日記が書けるわけで。。 あーあ、明日は少しセーブするかなー。