2013年3月2日土曜日

美意識を理解するには歌も文字もわからないとなぁ・・・・



家族がお稽古といってはやれ許状だとか、お茶会だとか、その「道」にどっぷり浸からされて、大変そうなのを見てきたもので、正式にお茶の世界を勉強する気にならず、無知のままなので、きちんとした評価はできないのですが、今まで、色々な展覧会などで茶道具や茶碗を見るうちに、小堀遠州好みの器や茶道具が実に美しいということが、自然に刷り込まれていって・・・当然のように・・・

根津美術館で開催中の『遠州・不昧の美意識  名物の茶道具』(4月7日まで)を見てまいりました。

入り口を入るとまず最初に
遠州遺愛の丸壺茶入れ「銘 相坂」とその仕覆(しふくー袋)、挽家(ひきや)、内箱、外箱、添状など、などが並べられています。
でも、やっぱり心を奪われるのは「茶いれ」。姿も美しいし、釉薬の美しさにまず目が行きます。プロの言い方では「釉の景色が美しい」とでも言うのでしょう。
添状(大徳寺の江月宋玩和尚)によると遠州がこの茶いいれに銘をつけてもらおうと、月和尚を訪ねた際、居合わせた人物が「古今集」にある「逢坂の関」の和歌を吟じたことから「相坂」との歌銘がついたのだそうです。遠州という人は茶道を古田織部に学び、公家の冷泉為満と為頼の親子、歌人の木下長嘯子に学んだそうですね、その教養をもとに古歌を選んで茶道具に銘をつけていたということですが、その古今(和歌)集には逢坂の関を呼んだ歌が9首もあるようで、それがどの歌で、そこからどのように連想が生まれていったのかは、わからなかったのが残念です。
まぁ、判ったところで、その風雅を理解できないと、意味がないのはわかっているのだけど。。。

それにしても、つやのある釉の景色は本当に趣味が良く、これが「綺麗さび」と称される小堀遠州の真骨頂なのでしょうか。
根津美術館サイトより

釉の景色の美しさという意味では、もうひとつ、小ぶりの井戸茶碗 「銘 忘水(わすれみず)」も美しかったですね。詞花集の住吉を流れる忘れ水を詠んだ歌から名づけたという説明でしたが、やっぱり和歌を理解していないと、その境地には至れないのが口惜しい。

しかし、昔の大名方は、皆そういった教養を身につけたうえでこういった美しいものを愛でておられたんですねー。
松平不昧公と言えば大名茶人で有名、そんな風雅なことばっかりしていたのか、いいわねー、と思いきやきっちり藩政改革を行ったおかげで、名物茶道具を集めることができたとか。「古今名物類聚」で遠州が見出したものを「中興名物」、それ以前までの名物を「大名物」と呼んで分類・格付をするなど、茶道具蒐集の世界でも「中興の祖」ともいうべき人物ということでしょうね。

今回の展示の素晴らしいのは、不昧公が入手した茶道具を箱ごと保存するために、新しい桐箱を作って、蓋に自ら箱書きをした上で、その箱書きを汚さないように不昧公の国許である雲州産の和紙を蓋にかぶせて大切に保存したその蓋や桐箱が全て展示されていること。特に遠州ゆかりの品々の場合は、オリジナルの箱とその箱書きは遠州の手によるもの、その横に不昧公の手による箱書きが並ぶという豪華さ。二人とも「定家様」が得意ということで・・というか不昧公が遠州の審美眼を評価し尊敬していたという話ですから、得意以前として、同じように書きたいと思ったに違いないですよね。

いやー、眼福、眼福。

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